抄録
近年、日本においては、カーナビゲーションシステムが急速に普及し、また、E-911(緊急通報)の国内法制定により、ケータイ(携帯電話を含む携帯端末)へGPS機能を内蔵したものが、普及の一途を辿っている。これに伴って、ヒト個人も効率的に目的地にたどり着くための、いわゆるパーソナルナビゲーションシステムの実用化が期待される。しかし、ヒトは車と異なり、その活動範囲が、屋内、地下等、踏破可能なあらゆる場所に及ぶ。屋外においては、GPS測位がシェアNo.1である一方、屋内等においては、高感度GPS、RFIDタグ、無線LAN他、様々な提案・研究がなされているが、今までのところ、測位率、精度共に不十分であり、普及には至っていない。一方、屋内において、照明設備はユビキタスであり、これを屋内測位に利用できれば、シームレス測位が可能になると考えられる。本研究では、屋内外シームレス測位を実現するため、GPS内蔵ケータイと、その赤外線通信機能、および、インバータ型蛍光灯照明向け照明タグを組み合わせることにより、屋内外シームレス測位を実現する新しいシステムを提案・開発し、実際に基礎的な受信実験を行ったので、その結果について報告する。