抄録
胆のう腺筋腫症についてそのX線所見の分析を行つた.
直接所見として拡張したRokitansky-Aschoff洞(RA洞)の造影(じゆず玉様陰影), けば立ち様不整像, 濃淡不整像があげられる. 全体に共通する硬化, 不整像に加えて, 明らかな狭窄や内腔の狭小化があれば本症の診断が可能となる. 胆のう体, 底部の屈曲は本症の直接所見といえる.
上記の所見を参考にして, 本報告では分節型, 底部限局型, 硬化不整型と分類した. 全周型は認められなかつた. 硬化不整型とは胆のう辺縁の硬化, 不整像のみで, 拡張したRA洞を表現するものといわれてきたじゆず玉様陰影, 狭窄, 屈曲を伴わぬものをいう.
臨床症状及び術後愁訴の有無より本症の治療法として胆のう摘出術が最も有効であつた.