抄録
患者は32才女子で, 発熱, 咳嗽, 喀痰, 肺野の浸潤影を主訴として来院した. 患者はX線像で両側上葉に浸潤影を示し, 1秒率51%の閉塞性換気障害を示した. 白血球数13,800, エオジン嗜好性細胞の百分率31%, 赤沈1時間値116mmを示した. SM-INH-PAS併用で2ヵ月, CPM-INH-PAS併用で2ヵ月治療したが, 3ヵ月後には浸潤像は完全に消失した. この患者はM. scrofulaceumツベルクリンに強い反応を示し, この菌の感染があると考えられた.
以上の症例はLöffler's syndrome(Pulmonary eosinophilia with asthma)と考えられるが, Löffer's syndromeがM.scrofulaceumをAllergenとして起こりうることを示唆している.