医療
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真性多血症の1例とその文献的考察
本郷 道夫藤岡 成徳三上 次郎
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1976 年 30 巻 10 号 p. 973-977

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抄録
真性多血症は, 本邦では比較的希な疾患であるが, 近年増加の傾向にある. 我々は, 肺拡散機能低下を伴つた真性多血症の1例を経験した. 患者は, 59才女性で, 肢端紅痛症を主訴として当センター内科を受診. 入院精査の結果, 真性多血症と診断され, 呼吸機能検査では, 動脈血酸素分圧の低下と, 拡散機能の低下を認めた. 潟血, Busulfan, Pipobromanによる治療の結果, 末梢血液像の改善と動脈血酸素分圧の改善が認められたが, 肺拡散機能の低下が認められた.
真性多血症の合併症としてThrombosisの発生が最も多くみられるものであり, 本症例における肺拡散機能の低下も, 肺毛細管におけるThrombosisによるものと考えられた.
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© 一般社団法人国立医療学会
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