医療
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RIによる内子宮口開大以前の前置胎盤の診断について
―等感度シンチスキヤナによるカラーシンチグラムとCPM測定について―
高嶋 達夫宮坂 知治
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1976 年 30 巻 5 号 p. 441-449

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抄録
RIとして半減期が6時間であり, 胎児に影響をほとんどないと考えられる99mTcHSAを用いて, 発作性出血を訴え, 且つ触診で診断し得なかった内子宮口開大以前の妊婦2例に, 等感度カラーシンチスキヤナでカラープラセントグラムとγ線の取り込み量をc. p. m. で測定して胎盤の付着位置を判定した. 1例は妊娠27週で子宮後壁付着辺縁前置胎盤と診断し, 他は妊娠で子宮後壁付着低在胎盤と診断した. 前者は妊娠36週で帝王切開を施行し, 異常のない健全な2,730gの女児を分娩し, 手術時の診断と一致した. 後者は妊娠38週にて帝王切開を施行し, 異常を認めない健全な2,950gの男子を分娩し, 手術時の診断と一致した. RIを用いたカラー等感度シンチスキヤナにて, 胎盤の位置診断法は, 特に子宮口開大以前の発作性出血の妊娠に対する胎盤の異常診断及びその後の方針と処置に, 妊娠管理上有効な補助診断法と考えられる
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© 一般社団法人国立医療学会
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