抄録
SLEの治療に副腎皮質ホルモンが使用されてから著明な延命効果が認められているが, 早期に診断し, 早期に適切な治療を行わなければ現在でも不幸な転帰をとることが多く, 安易な治療は禁物である. SLEの治療の中心は副腎皮質ホルモン療法である. しかし, SLEのように副腎皮質ホルモンを長期間しかも比較的大量使用しなければならない難治性疾患では, 副腎皮質ホルモンの副作用が問題となる. 筆者らは副腎皮質ホルモンを長期間投与する場合に, 臨床効果と副作用の軽減という面から48時間朝1回隔日投与法を推奨しているが, これをSLEに試み, 良好な成績を得たのでその概要を報告した. 併せて, 副腎皮質ホルモン剤に抵抗する難治性のSLEに対して免疫抑制剤を併用して有効であつた症例, 蛋白尿の持続する症例に非ステロイド性抗炎症剤を併用して有効であつた症例を呈示し, SLEの病態に応じて薬剤を選択する必要があることを述べた.