抄録
SLEがもつている種々の免疫学的側面を述べ, 個々の側面においてSLEに類似した臨床症状を現し,
鑑別が必要となる疾患群を拳げて, 概説した.
汎発性自己免疫疾患という視点においては膠原病, 殊に皮膚筋炎, 進行性全身性硬化症, シエーグレン症候群; 免疫反応II型に関する側面においては溶血性貧血, 血小板減少性紫斑症; 免疫反応III型が関する面では, 結節性動脈周囲炎, 悪性関節リウマチ, 感染アレルギー, 血栓性血小板減少性紫斑病, 血管炎症候群; 免疫反応IV型を主体とする病変としてルポイド肝炎, 軟部組織リウマチズム, Polymyalgia rheumatica; 免疫調節機構の破綻という面では免疫不全症, 免疫組織の腫瘍性病変; 以上が鑑別すべく, また合併に注意すべき疾患として概説された.