医療
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ルポイド肝炎
―その病態をめぐる二・三の問題について―
島野 毅八郎
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1976 年 30 巻 8 号 p. 736-742

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抄録
Mackayの原著に基づくと, ルポイド肝炎の概念には, 活動性慢性肝炎(Chronic active hepatitis)が必要条件である. 活動性慢性肝炎にLE細胞とLE症状とが共存している場合には問題はないであろう. この2つの中の1つが欠けている場合はルポイド肝炎の非定型例とみなすことができよう. LE症状が先行した場合でも活動性慢性肝炎があれば一応ルポイド肝炎として扱つておくことが妥当と思われる.
一般的にいえば, ルポイド肝炎という病態は1つの疾患単位であるかどうか, まだ明らかではない故, 肝障害における自己免疫的側面を現す言葉として受けとめておくべきであろう. なお, ルポイド肝炎に関係して, 用語法の紛糾, 分類上の位地 (Acapulco), ウイルス性肝炎との関係, 他の自己免疫性疾患における肝障害との異同などについて論及した.
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© 一般社団法人国立医療学会
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