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肺結核の外科療法
小野 勝
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1977 年 31 巻 11 号 p. 1236-1239

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抄録
1)肺結核の手術数は著しく減少し, この10年間に1/5になつた. 中でも, 膿胸や手術不成功例の手術が多く, 純粋の肺結核の手術に限ると1/10に減少している.
2)肺結核外科療法の適応は化学療法の治し得なかつた範囲に限られるが, 菌陰姓症例について, 従来よりも手術適応と考えない方向へ動いていることが手術数減少の大きな原因である.
3)手術成績は著しく改善された. 東京病院では成功96%, 死亡0.6%, 合併症1%である.
4)輸血後肝炎は輸血用血液のHB抗原スクリーニングで著しく減少したが, 術後の肝炎についてはHB肝炎以外のものを十分注意すべきである.
5)手術関連の呼吸不全患者はかなり多く, また比較的重症である. 今後は適応を選ぶ際この点の十分な配慮が必要である.
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© 一般社団法人国立医療学会
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