抄録
形態診断としてのDICはその鮮明な像を得られる点で勝れた検査法である. しかし胆道領域の病変を表現するにはやや難点がある. 経時的に行う131I-BSPシンチグラムは胆道の形態現出能ではDICのそれとほぼ同様だが, 描出時間の延長するものには病変高度のもあが多いことから, 胆汁のうつ滞を表現するAl-phos, LAPなどの成績と併せ考察することにより胆道領域の病変高度のものを診断することが可能と思われる. 我々は経時的に131I-BSPシンチグラムを行つた症例の描記出現状態をDICの陰影出現とほぼ同様の傾向にあることを確かめ, 更に手術によつて観察した胆道領域病変高度の症例が131I-BSPシンチグラム描出時間遅延例に多く, LAP, Al-phos高値であつたもので描出遅延をみたものの大部分が病変高度のものであることを知つた.