医療
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Serratiaの分離とその電子顕微鏡観察
菅沼 惇福本 芳男小林 森作羽渕 靖治平野 伸治甲原 忍朴 鎮彬横田 芳武岸田 綱太郎森岡 宏行
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1978 年 32 巻 2 号 p. 161-166

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抄録
Serratiaは近時臨床細菌学の立場から注目を集めている菌種の一つである. その臨床的意義についてはいまだ確定されていないので, 各個の症例につき検討すべき段階にあるといえる. 当院においてもSerratiaの各種検査材料からの分離率が上昇してきている. 最近, 一肺炎患者の喀痰からほとんど純培養の形でSerratiaが分離された. その症例を検討するとともに, 他の患者尿より分離されたSerratiaも加えて, 有効と認められた薬剤による分離菌の形態変化を電子顕微鏡により観察した. 一般的な変化としては, 菌の膨化と細胞質の希薄化を認めた. 特に, Minocyclineにおいては, cell wallの外膜の断裂を認めた. なお, 本菌の各種薬剤に対する感受性についても検討した.
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© 一般社団法人国立医療学会
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