医療
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子宮頸部・体部のadenosquamous carcinoma
―とくに組織発生について―
森脇 昭介北島 武志小島 洋子千葉 丈久保 喬士猪原 照夫
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1979 年 33 巻 2 号 p. 130-136

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抄録

子宮頸部・体部のad-sqcaはなお独立組織型としての意義は明らかでない. 著者らはad-sqcaの臨床病理学的特異性の有無について検索を行つているが, 今回は主として組織発生について私見を報告した.
国立松山病院で組織学的に診断した子宮頸癌1953例中66例, 3.4%, 体癌69例中26例, 37.7%にad-sqcaを認めた. ad-sq caを組織学的に3型に分類した. I型・混合型は46例66.7%, 平均年令55.9才, II型・分離型は11例, 16.7%, 46.1才, III型・上皮内癌型9例, 13.6%, 47.6才となる. 体癌のad-sq caはすべて1型で, 平均年令58.2才, 腺癌57.9才と差がない. 頸部I型の腺癌中の比は44.7%となり, 年令, 頻度, 化生様式は体癌のそれと類似し, 1型が狭義のad-sq caと解した. 化生形成を非癌材料と比較し, 非連続, 未熟型化生と類似を求めることができる. 今後治療や予後との関係から検討したい.

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