医療
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電子計算機による全身麻酔の統計調査
榎本 尚美山下 九三夫山崎 祐佐伯 修二福岡 俊一久家 輝義山田 満
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1979 年 33 巻 2 号 p. 175-186

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抄録
本邦においては従来麻酔の統計が少なく, WHOなど国外よりの問合せに対しても十分な回答を与えることが困難であつた. そのような観点より国立病院麻酔共同研究班においては全身麻酔の統計調査を企画し, 特に正確迅速という点から電子計算機を用いることを試み, 5年間の成績を得たので報告する.
本邦標準的規模の国立病院6施設における5年間の全身麻酔例数は22071例であるが, 年とともに時間を要する麻酔症例の増加が著しく, 麻酔科医負担の様相が数量的に判然とした.現在用いられている吸入麻酔剤は笑気とfluothaneが主で, 筋弛緩剤はsuccinylcholineとpancuroniumが繁用されている. また輸液剤には乳酸Ringer液が好んで用いられる. 麻薬の使用は減少の傾向にある.
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© 一般社団法人国立医療学会
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