医療
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シエーグレン症候群の診断基準に関する考察
山口 宗彦矢島 寿夫加藤 二郎森 博志窪田 叔子川上 仁
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1979 年 33 巻 5 号 p. 470-476

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抄録
従来のシエーグレン症候群の診断基準では, sicca syndromeの有無が主体になつているが, sialometryによる唾液分泌量は経時的変動が大きいこと, また口内乾燥感が自覚症状として発現するまでには発症後かなりの経過を要することから, sicca syndromeを間接的に, しかも早期にとらえる方法として, 唾液腺造影の重要性を強調した.
本症では, 1)点状陰影を示すものと 2)斑紋状, 雲状陰影を示し導管に漏洩像を示すものとに大別される. また本症を, 他の膠原病非合併例(A群)と合併例(B群)とに分類して臨床所見, 検査成績などから検討した結果, それぞれの群において数多くの特徴的所見が認められている.
すなわち我々が考えている診断基準では, 1)唾影像(特に耳下腺)にみられる特徴的所見と, 2)免疫血清学的所見(高ガンマグロブリン血症, リウマチ因子陽性など)の存在を重視している.
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© 一般社団法人国立医療学会
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