医療
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右鎖骨上部大動脈弓の1乳児例
松村 長生大塩 猛人平井 勉斉藤 恒雄角田 一己桐野 有成高丸 誠志松岡 寿子
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1979 年 33 巻 5 号 p. 487-490

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抄録
頸部大動脈弓は数例報告されているが, 心内合併奇形を有するものは非常にまれである. 我々は右鎖骨上窩に突出した大動脈弓に単心室, 肺動脈狭窄を合併した1例を報告した. 患者は2ヵ月の女児で, 生来呼吸困難あり, 心雑音を指摘され香川小児病院に紹介された. 心臓カテーテル, 大動脈造影により頸部大動脈弓及び, 食道後部大動脈弓と診断され, 呼吸困難, 嚥下困難は食道後部大動脈弓による圧迫と診断した. 血管輪の切断を要すると思われたが, 心内奇形の根治性なきため, 家族の同意が得られず, 6ヵ月間内科的治療で待つたが, 体重増加なく, 6ヵ月後に動脈管索の切断術を行つた, 術後の体重増加もえられ, 良好であつたが2ヵ月後風邪に罹患し突然死亡した. 本邦においては本例を入れ7例の報告がみられる. 7例のうち4例に心内奇形の合併を認め, 欧米の報告に比して心内奇形の合併が多い.
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© 一般社団法人国立医療学会
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