抄録
悪性リンパ腫の寛解の維持に対する少量持続的化学療法, 間歇的強化療法あるいは免疫療法の効果を12症例について比較検討した.
持続的化学療法ではアルギメートにより副作用を防止しつつ, L-アスパラギナーゼの少量投与が, 血液像の変化も少なく維持療法として優れていた. 強化療法は, 再発に有効であるが, 免疫機能低下を促進させた.
免疫療法としてはOK432が比較的少量でTリンパ球の増量効果を示し, セフアランチンが免疫グロブリン増量, 網内系賦活効果を有し, トランスフアーフアクターがPPD陽性化傾向を示した.
免疫療法は寛解期間の延長には有効であるが, 増殖している腫瘍を縮小させる効果は少なく, 寛解導入療法時の低下した免疫能を改善し, 寛解維持と同時に感染症から生体を防御する効果を有するものと考えられた