抄録
私たちは, IBM2997成分血液分離装置の回路中に活性炭素吸着筒のDHP-1をセツトするcharcoal seroperfusion(血漿濾過法)を考案し, パラコート中毒患者の治療を行つた. 尿中パラコート濃度は, charcoal seroperfusionにより著明に低下し, この方法の有効性が証明できた. charcoal seroperfusionは, 従来のhemoperfusionと比較して, 血球成分の吸着, 破壊がないため, より安全で効果的と思われる. また, このパラコート中毒症例は, 不幸な転帰をとつたが, 剖検において, 間質性心筋炎像が特徴的な所見であつたので, 病理所見についても詳しく記載した.