医療
Online ISSN : 1884-8729
Print ISSN : 0021-1699
ISSN-L : 0021-1699
健康者における血清フエリチン値の検討
高原 淑子石橋 章彦佐藤 仁政佐々木 由三山下 昌次安藤 裕近藤 誠与那原 良夫
著者情報
ジャーナル フリー

1982 年 36 巻 3 号 p. 233-238

詳細
抄録
血清フエリチンの各キツトによる正常域を確かめるため, 国立東京第二病院核医学センターで測定値の検討を行つた.
138例の健常者で血清フエリチンの測定を行い, 血液学的および生化学的に厳選した結果, 正常者66例(男46例, 女20例), また59例(男12例, 女47例)は低血鉄症か低フエリチン血症を伴う異常を示した. これらの症例からの血清試料を4種類のRIA Kitで測定した.
結果 1)健康者においても低フエリチン血症はしばしば見られる. 2)キツト間で血清フエリチン値に著明な差が認められたものの, 互いに低い相関々係を示した. 3)男子46例の正常値はスパツク108.1±40.3ng/ml, Gamma Dab 114.1±52.9ng/ml, リアパツク121.5±51.6ng/ml, Riagnost 188.6±60.2ng/mlで, 女子20例の正常値はスパツク39.7±16.3ng/ml, Gamma Dab 37.5±15.7ng/ml, リアパツク56.6±16.4ng/ml, Riagnost 94.8±29.0ng/mlであつた. 以上の結果は各キツトで標準値を決定する際に混乱を招く可能性のあることを示していよう.
著者関連情報
© 一般社団法人国立医療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top