医療
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幼小児・扁桃剔出術の麻酔
高橋 純一野口 純一深井 清子山田 かず子川添 太郎
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1982 年 36 巻 5 号 p. 467-470

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抄録
幼小児の扁桃剔出術, アデノイド切除術の麻酔は, (1)術中術後を通じて気道の確保を確実にし, (2)止血のため術野にアドレナリンを用いるので麻酔薬の選択に考慮を要する, などの問題がある. 当院では昭和52年5月から当該手術に際し, 笑気・酸素・パンクロニウムによる全身麻酔と10万倍エピネフリン入り0.5%リドカインによる局所麻酔の併用を行つてきたので, 昭和54年4月までの240例について検討を加えた.
循環動態は収縮期血圧が29.1±17.0%, 脈拍数は17.5±15.6%増加したが血圧低下を来すような重篤な不整脈は経験しなかつた. エピネフリン希釈液の使用量は多くの例でKatzの基準を越え, 当該手術のハロセン麻酔は避けた方がよいと思われた. 麻酔からの覚醒は速やかで術後の気道確保は容易であつた.
幼小児の扁桃剔出術, アデノイド切除術の麻酔に本法は有用であると考える.
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