医療
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大腸内視鏡的ポリペクトミーの現況
―Neoplastic polypを申心として―
今村 哲理別役 孝井林 淳
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1983 年 37 巻 8 号 p. 767-771

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抄録
内視鏡的polypectomy・hot biopsyを行つた大腸Neoplastic polyp 60例(96病変)の検討を行つた. 結果は次のごとくである.
(1)占居部位はS字結腸が最も多かつた(38.5%). (2)スクリーニングはX線検査で行つているが, これによるFalse negative polypは14.6%あり, 少なくともS字結腸までは内視鏡検査も併用すべきである. (3)大きさ・型・異型度・発赤の有無の関係については, 無茎性polypでは大きさが大きくなるほど立ちあがりのくびれが強く, 発赤する頻度も高く, 異型度も高くなる傾向があり, 有茎性polypにおいては, 大きなものでも意外に異型度の低いものも認められた. 無茎性と有茎性は区別して考えるべきである. (4)内視鏡的切除を行つた早期癌14例中7例が多発NeoPlasia例であり, 術前の精査・術後のfollow-upがHigh risk groupとして重要である. (5)大きさ1cmを越えるpolypのpolypectomyに際しては点墨によるmarkingを行つている.
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