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胃大腸重複癌の検討
奥田 誠松本 重喜岩江 秀和池内 駿之岡本 哲彦山田 穣有森 正樹石山 和夫
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1983 年 37 巻 8 号 p. 772-777

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抄録
昭和29年から57年までの間に20例の同時性及び異時性胃大腸重複癌を当院で経験した. 平均年令62. 6才, 男性9例であつた. 背景母集団の判明している過去9年間に15例の胃大腸重複癌があり, これは同期間の大腸癌総症例数373例の4.0%, 胃癌総症例数777例の1.9%に相当する. 同時性重複癌は7例で, 第1癌が大腸にあつた4例中3例までは術前に胃癌を診断し得た. 一方第1癌が胃にあつた3例は手術時まで大腸癌の診断はつかず, かつ大腸癌は非切除に終つた. 異時性重複癌は13例で第1癌が大腸にあつたもの7例, 第1癌が胃にあつたもの6例で, 第1癌から第2癌への平均期間は前者で7年5ヵ月, 後者で3年であつた. 胃癌は6例までが早期癌であつたのに比し, 大腸癌で早期癌であつたものは1例であつた.
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