医療
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急性腎不全を合併した慢性膵炎急性増悪の1例
前島 潔黒田 重臣大谷 良樹篠崎 有三向井 美和子
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キーワード: 急性腎不全, 急性膵炎
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1984 年 38 巻 1 号 p. 85-88

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抄録

従来より急性膵炎の合併症の一つとして急性腎不全がいわれているが, その報告例は本邦では過去10年間に7例と少ない. 最近著者らは慢性膵炎の急性増悪の経過中に急性腎不全を併発し, 死の転帰をとつた症例を経験した. 症例は高度の飲酒歴をもつ69才の男性で, 近医で慢性膵炎の診断で加療を受けていたが, 昭和57年4月飲酒後に心窩部痛出現し, 当院に紹介され入院となつた. 入院時著明な血清及び尿アミラーゼの高値を認め, 慢性膵炎の急性増悪と診断し加療するも, 経過中シヨツクを契機に急性腎不全が急速進行し, 血液透析療法を施行したが効なく死亡した. 剖検では膵は出血性壊死の所見を呈し, 腹腔内に約1000ccの出血を認めた. 又腎は急性尿細管壊死の所見を認めた. 本症例はシヨツクを契機に腎不全が急速増悪しているが, シヨツクに無関係に合併した報告例もあり, その成因, 治療法, 予後に関し若干の文献的考察を加えて報告した.

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