1984 年 38 巻 4 号 p. 372-377
熊本南病院の1976年から1981年まで6年間の結核患者の状況を, 年次別入院患者数, 年令別比率, 在院期間, 初回治療の病型(学会分類), 初回治療患者の排菌状況, 初回治療の効果, 退院時の病型, 再入院例, 持続排菌例, 合併症, 死因分析について調査し, 我が国の結核の状況と比較して問題点を検討したが, 持続排菌例, 合併症などが注目された. また, 今日, まれでない気管支結咳9例について, 気管フアイバーによる特徴的所見と精査の必要性を報告した. さらに, 肺野の孤立性陰影について, 林の数量化理論第二類を用いて計量的診断を試みたが, 良性と悪性の相関比は0.7171となり, カテゴリースコアによつて, 94.3%の確率で悪性の診断ができることが判つた.