1984 年 38 巻 6 号 p. 552-556
筆者がこれまで報告してきた論文にもとついて, てんかん患者における脳波の臨床的意義について以下の事項について述べた. (1)頭皮脳波でみる多棘徐波結合, 高振幅徐波, 3Hz棘徐波結合の脊髄単シナツプス反射(H波)に及ぼす影響, (2)重心計を使つて3Hz棘徐波出現時の体の動き, (3)てんかん患者の脳波上のmirrorfocusおよび多焦点棘波の問題, (4)てんかん患者の予後に対する脳波所見のもつ意味, (5)脳波強制正常化による精神症状, 自律神経症状, (6)棘波の頭皮上各点での時間的ずれを測定しての棘波の伝播について, (7)CTでの障害部位と脳波所見との対比, (8)14-6Hz陽性棘波, 6 Hz phantom棘徐波結合の臨床脳波学的意義, とくに自律神経発作, 感情発作との関係.