医療
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癌胎児性抗原(CEA)の基準値の検討
近藤 忠亮杉原 荘介小 板愿中元 紀克稲垣 功恵坂田 尚子石部 悦子藤田 貴子
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キーワード: 基準値, , 肝疾患
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1984 年 38 巻 6 号 p. 560-563

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抄録

CEAのサンドイツチ法による基準値は2.5ng/mlとされている. 臼井らの異常値を含むデータより基準値を求める対数近似法で, 261例より算出された基準値上限は3.6ng/mlであつた. CEA濃度を1.9ng/ml, 2.0~2.5ng/ml, 2.6~3.6ng/mlの3群にわけ,良性と悪性疾患の比率をみたところ有意の差はなかつた. CEA濃度が基準値以上を示す異常率は, 直腸癌と肺癌は66.7%, 胃癌38.2%, 乳癌36.4%, 甲状腺癌33.3%であつた. CEA異常を示す良性疾患のうち, 肝疾患183例についてみた異常率は急性肝炎0%, 慢性肝炎12.1%, 肝硬変症32.7%であつた. 原発性肝癌では21.9%を示した.

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