医療
Online ISSN : 1884-8729
Print ISSN : 0021-1699
ISSN-L : 0021-1699
肺結核の活動性を評価するための気管文肺胞洗浄(BAL)によるアプローチ
藤村 政樹黒木 五郎橋場 義則林 代四男
著者情報
ジャーナル フリー

1984 年 38 巻 6 号 p. 577-581

詳細
抄録

肺結核の活動性を評価することを目的として, 肺結核患者22名および正常者3名について気管支肺胞洗浄(BAL)を試みた.
従来の喀痰や胃液培養などの方法では, 菌が検出されなかつた5例において, BAL液より結核菌が検出された. 結核菌が検出されたBAL液では好中球実数の増加がみられた. 胸部X線所見の活動性が高い群ほど, BAL液から結核菌が検出される率は高かつたが, 非活動性を示すX線所見でもBAL液より菌が検出される例が存在した. いずれのX線所見においても, 結核菌が証明されたBAL液では, 好中球実数および比率の増加がみられた.
以上より, BALは感度の高い結核菌検索法として有用であることが示された. また, 結核菌が検出され得る病巣では主要な炎症細胞は好中球であることが示唆された.

著者関連情報
© 一般社団法人国立医療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top