1984 年 38 巻 6 号 p. 612-615
抗てんかん薬血中薬物濃度測定機器として, 蛍光偏光免疫測定法を原理としたTDX analyzer ®(ABBOTT Lab.)が市販された. 今回著者らはその測定精度, 血液共存物質の測定への影響について検討を行つた. その結果, 測定の同時再現性および測定間再現性については, 非常に良好な結果を得た.初回に作成した検量線を用いた試料測定値が,2週間にわたり安定であつたことより, 測定の度毎に検量線を作成する必要がないことがわかつた. また血液共存物質による影響に関しては, カルバマゼピン測定に脂質による測定値低下を認めたが, 従来より利用されているEIA(EMIT®)との測定値の比較において, 高い相関を認めたことからも, この機器は, 精密性, 迅速性, 簡便性にすぐれた測定機器であることが認められた.