抄録
我々は虚血性心疾患2例について, 心臓カテーテル検査中に仰臥位エルゴメーターを用い運動負荷を施行し, 狭心症を誘発した. 更に発作時の血行動態測定と同時に, 左室造影による左室辺縁解析を定量的に行うことにより心機能を評価した. この方法は, 虚血性心疾患における心機能予備力, 及び重症度を評価する上で非常に有用であると考えられた.症例1は心筋梗塞後狭心症で, 運動負荷により, mPAP LVEDP, LVEDV及びLVESVは上昇し, E, F, LVSWIは低下した. 壁変化率は負荷前の低下域が負荷により更に低下し, 拡大した. CABG後の運動負荷では血行動態の改善がみられ, 壁変化率は負荷前後で変化が無かつた. 症例2は不安定狭心症で, 運動負荷によりmPAP, LVEDP, LVEDV及びLVESVの上昇と, E, F及びLVSWIの低下がみられた.
壁変化率は運動負荷で, 低下域が更に低下し, 拡大した. 以上より, 狭心症発作の病態として, 左室コンプライアンスの低下による左心不全が示唆された.