抄録
比較的まれな疾患である三尖弁狭窄症の2例を報告した. 症例1は14才の女性. 4才のときに心臓カテーテル検査で三尖弁閉鎖症と診断された既往歴を有した. 三尖弁輪直径は標準値の50%で肺動脈狭窄, 右室低形成, 心室中隔欠損を合併. 左室機能は低下し, 体拍出量は1.95L/min/m2, 左室拡張終期圧は10mmHgを示した. Fontan手術の適応限界に近く, Blalock手術を行い良好な結果を得た.
症例2は2才の男子. 高肺血流量による肺高血圧症を示し, 肺血管障害はなかつた. 拡大した肺動脈, 正常容量の右室, 膜様部心室中隔欠損合併. 三尖弁輪直径は標準値の46.9%であつた. 吸気中に増加を示す拡張期心雑音を三尖弁輪部に認め, 超音波心断層像にcontrast echo法を加え三尖弁閉鎖症と容易に鑑別し得た. 肺動脈絞扼術の待期中である.