抄録
近年, ペースメーカー機種の多様化に伴い, より生理的ペーシングが可能となつた.今回, 13例にDDD型ペースメーカーを植込み, 良好な結果を得た. 術前のヒス東心電図, 右房オーバードライブ・サプレツシヨンテスト, 及びHolter心電図のデータを比較検討し, その適応を考えた. また, 心臓超音波エコーにて, VVI modeとDDD modeの時の心機能を評価し, 比較検討した. 生理的ペースメーカーは, 心拍出量の増加, 及び生理的心拍数の増加が得られるため, 充分な運動量を要求される若年症例, 心予備力の低下した症例, また, VVI型ペースメーカー植込み後, ペースメーカー症候群に悩んでいる症例は, 適応を考慮すべきである.