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聴性脳幹反応における正常値について
小名 愛大塚 護脇 幾久子市来崎 潔赤堀 俊也池田 美智子猪 忠彦
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1985 年 39 巻 4 号 p. 328-333

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抄録
正常な20才台の成人18名36耳を対象に, 聴性脳幹反応を記録し, 左右差・試行差の正常範囲について検討した.
1)ABRの各反応潜時の標準偏差値は, 0.10~0.20msecの比較的小さな値を示した.
2)ABRのIV-V複合波は5型に分類できたが, この分類の有用性は不明である.
3)ABRの1回目と2回目の記録の差を測定し, 再現性について検討した. V波潜時は35耳中32耳91%が0.10msec以内におさまり, I-V波間隔は35耳中31耳89%が0.10msec以内におさまつた.
4)ABRの左右差については, V波潜時は0.4msec以上, I-V波間隔は0.45msec以上が異常と考えられた.(判定基準はM+2SD以上とした)
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