抄録
昭和51年から58年5月までの7年5ヵ月間に当科で治療した三叉神経痛患者74例(男37例, 女37例)の治療結果について報告し, その病因, 治療方針について検討した.
74例中63例は保存的冶療でコントロール可能であり, 11例に手術治療を行つた. (小脳橋角部腫瘍5例, 椎骨脳底動脈瘤1例, 癒着性クモ膜炎1例, 癌性1冬痛2例, 難治例2例)
従来特発性三叉神経痛と考えられていたものの中にも, nerve entry zoneでのtumor, 微小血管にcompressionによる症候性三叉神経痛がかなりの頻度で含まれていると考えられ, 両者の区別は明確でない.
三叉神経痛の冶療は薬物治療を優先すべきであるが, その前に明らかな責任病変の有無を検索する必要がある. 難治例, 副作用出現例に外科的治療を行うが, その方法としてはmicrovascular decornpressionが最適である.