抄録
海外帰国者のいわゆるtraveler's diarrheaのひとつとして理解されているランブル鞭毛虫症(Lambliasis)(Giardiasis)は, 胆道を汚染し, 上腹部痛を惹起し, 急性腹症のひとつとなり得ることを知つた.
また本症の不明上腹部痛への関与, また胆道疾患における, 古典的な十二指腸液検査の有効かつ必要性(十二指腸カプセル利用)を再認識するとともに, 例数が少なくなつたとはいえ, 一般臨床における寄生虫疾患の重要性を思い知らされた.
なお, 希少寄生虫疾患の治療-厚生省研究事業「輸入熱帯病の薬物治療に関する研究」について二, 三ふれた.