抄録
RA患者は消炎鎮痛剤を長期間使用し, 消化性潰瘍を合併していることが多い. その上, 呼吸器疾患や腎疾患などを合併していることもあり, 胃切除には, 手術適応, 術前, 術後管理などの問題がある. そこで, 最近3年間に消化性潰瘍, 出血および穿孔で胃切除をした13例のRA患者の手術成績を中心に臨床検討を行つた.
RA患者, 非RA患者の待期手術に死亡はなかつた. 一方, RA患者の緊急手術7例(緊急手術率53.8%)中5例が死亡(緊急手術死亡率71.4%), これは非RA患者の緊急手術およびその死亡率(2.0%および18.0%)に比較し有意に高かつた. 死因は肺炎, 腎機能障害などの術前からある合併症の増悪, あるいはその続発症によるものが多かつた.
RA患者では, 定期的な消化管検査による診断と厳重な治療経過の観察, さらに絶対的適応に追い込まれる前の難治性潰瘍に対する待期的手術の施行が重要と考えられた.