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鈍的外傷性後腹膜線維症による尿管狭窄の1例
大橋 正和二木 昇平織田 孝英
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1986 年 40 巻 10 号 p. 940-942

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抄録

症例は45才, 男性. 左側腹部鈍痛を主訴として来院した. DIPにて著明な左水腎水尿管を認めるも結石陰影は認められなかつた. RP施行するもカテーテルは左尿管に挿入不可能だつた. 左経皮的腎瘻を作成し, 順行性腎盂尿管造影では左尿管下部に数cmにわたる狭窄が認められ, CTでは左下部尿管壁は肥厚し尿管腫瘍を疑わせた. 膀胱尿, 左腎瘻尿の細胞診ではclass III bがでて尿管腫瘍を否定しきれ得ず手術施行, 左下部尿管壁肥厚を認めるも悪性所見は認められず, 膀胱部分切除を含む左下部尿管切除術, ならびにBoari手術にて再建した. 患者は1年前トラツク運転中前方のトラツクに衝突し, ハンドルにて下腹部を強打しており, これによる外傷性後腹膜線維症に起因する尿管狭窄と思われた.

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