医療
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アルミナ・セラミック人工関節
大西 啓靖前田 晃岡部 紀和鍋島 隆文櫛谷 昭一津山 研一郎正岡 悟大槻 伸吾山本 隆文脇本 義昭
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1986 年 40 巻 11 号 p. 991-996

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抄録
J. Charnlayが人工股関節をはじめて20年以上が経過し, 当初は適応年令が60才以上を厳格に守られていた. その後, 金属材料, ポリエチレン材料の改良, 加工法の改良, 更に, 手術手技の改良などが重ねられ, 更に, 金属材料がアルミナ・セラミツクスへと変換され, 適応年令を少しでも下げようとする努力がはらわれてきている. 長期成績をみた場合, セメント固定による問題点が多く, これら問題点を解決するために骨セメントの改良, セメント手技の改良などがすすめられ, 一方では, 長期のセメント固定に信頼がもてず, セメントを用いない人工関節が生れてきた. しかし, セメント固定を行わない場合, 十分支持性のある比較的健常な骨がなければならない. RAや高令者のように骨萎縮が高度であるばかりでなく, 脂肪髄化している場合では, 骨セメント固定が必須である. 従つて, 今後もセメント固定を行う場合と, 行わない場合の2つの方法による人工関節が用いられるであろう.
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© 一般社団法人国立医療学会
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