医療
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子宮内膜症の臨床と超音波診断
島 功池野 暢子渡辺 正昭遠藤 紘高橋 克幸
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1986 年 40 巻 11 号 p. 998-1002

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抄録
最近, 子宮内膜症が増加の傾向を示していることは周知の事実である. 子宮内膜症は, 性成熟婦人に好発し, 増殖した異所性内膜組織が骨盤内臓器に広汎かつ強固な癒着を生じ, 妊孕能の低下を招来するため, 不妊因子としても重要な意義を有している. 従来, 子宮内膜症は主として臨床症状をもとに, 内診所見や子宮卵管造影所見を参考として診断がなされてきた. 一方, 腹腔鏡直視下における組織試験切除診は, 子宮内膜症確診には不可欠であるが, 他方より普及的な診断法が期待されている. 最近, MEを応用した診断技術の向上はめざましく, 子宮内膜症においても特徴的超音波断層所見が解明されつつあり, とくに卵巣子宮内膜症や子宮体部子宮内膜症などの腫瘤形成子宮内膜症においては, 形態および内部エコーの解析により診断可能な場合も少なくない. 以上の観点より, 子宮内膜症の臨床的特徴, 最近の治療法および超音波断層所見の特徴と診断基準に関して解説を試みた.
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© 一般社団法人国立医療学会
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