医療
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熊本県における放射線治療の現況
―治療機器と対象疾患の調査分析―
藤村 憲治
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1987 年 41 巻 2 号 p. 162-165

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抄録
1985年12月現在で熊本県の放射線治療機器と対象疾患についてアンケート調査を行つた. 県内の放射線治療施設は14ヵ所で, 8施設が腔内照射可能であつた. しかし, 治療用コンピユータ設置率はわずか14%, シユミレータ設置率も36%と少なく, 放射線科医による治療率は64%であつた.
県内では, 年間1120例の外照射と83例の腔内照射が行われた. 対象疾患として多いものは, 肺癌21%(231例), 子宮頸癌13%(142例), 食道癌8%(92例), 乳癌7%(79例)などであつた.
悪性新生物の県内罹患数の推計をもとに放射線治療実施率を求め, 全部位では23%と少なく, 喉頭77%, 食道65%, 子宮61%, 肺42%などの結果を得た.
地域医療における放射線治療施設のあり方について, 問題点を検討した.
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© 一般社団法人国立医療学会
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