医療
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41 巻, 2 号
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  • 佐藤 昭雄, 加藤 督介
    1987 年 41 巻 2 号 p. 119-124
    発行日: 1987/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    未治療糖尿病患者47例について, 網膜症のある群とない群とに分けて下垂体前葉機能を検討し, 以下の成績をえた.
    1) アルギニン負荷によるGH反応は網膜症のある群では過大反応を示すものが多かつた. TRHに対してGH responderのみられたものが21例(44.7%)あり, nonresponderに比して年令が若く, 28.5%にインスリン治療を要した. 2) TRHに対するTSH, PRL反応は両群間に有意差みられず, TSHは正常反応であつたが, PRLは男性例で過大反応であつた. 3) LH-RH testはLH, FSHとも両群間に有意差みられず, FSHは正常反応であるが, LHは過大反応であつた. 閉経後ではLH, FSHとも正常反応であつた.
    以上GHの過剰分泌が網膜症との関連を示唆したが, 原因であるか結果であるかは今後多方面から検討を要するものと思われる.
  • 北尾 武, 上田 幹夫, 平井 潤子
    1987 年 41 巻 2 号 p. 125-140
    発行日: 1987/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    65才以上の老人の血中亜鉛, β-カロチン, ビタミンA, ビタミンCの定量を行い, 同時にリンパ球のモノクローナル抗体を用いてのTリンパ球サブセツト, コンカナバリンAに対する反応を測定した. 亜鉛濃度とヘルパーT細胞(OKT 4)とコンカナバリンAに対する反応は正の相関があり, サプレツサーT細胞(OKT 8)とは負の相関を認めた. 亜鉛とβ-カロチン, β-カロチンとビタミンCとの間にも相関が認められた.
    老人において血中の亜鉛を測定することは, 栄養学的な意味のみならず免疫学上の意味もあるので重要である.
  • 古田 睦広, 伊藤 剛, 小原 安喜子, 北市 正則, 金岡 正樹, 祖開 克彦, 牧 和夫, 田中 郁子, 横田 博子, 吉村 誠之, 徐 ...
    1987 年 41 巻 2 号 p. 129-134
    発行日: 1987/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    ヘルペスウイルス(HSV)I型を分離同定し得た4症例の新生児剖検例を報告した. 1969年より17年間になされた新生児・乳児剖検総数約450例中HSV感染症と思われた症例は6例ある. これらは生後7~11日で病理解剖がなされ, すべて成熟児である. 全例の肝にHSVによる特有の壊死巣が認められ, その周辺部にはCowdry type Aの核内封入体を認めている. HSVI型を証明した症例2は肝の他にも広範囲の小壊死巣を認めた. 症例3, 4は肝の他には副腎にその特有な病変を認めた. 新生児HSV感染によつて7日前後に死亡するような症例は, その理由は明らかではないが高度のviremiaがその個体に進捗するものと考えられる. 胸腺は一般にその侵され方が高度ではない. HSV感染が妊娠早期にひきおこされると, 奇形, 流死産などがひきおこされる場合がある. I型, II型による病理像の差はそれほど明瞭ではないものと考えられる.
  • 柄川 順, 築山 巌, 小野 良祐, 秋根 康之, 梶浦 雄一, 荻野 尚, 作道 元威, 岡崎 実, 島野 忠俊, 張替 幸恵, 小斉 淑 ...
    1987 年 41 巻 2 号 p. 135-140
    発行日: 1987/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    国立がんセンター病院放射線治療部で1986年4月以降に用いられるようになつた新しい放射線治療情報システムについて述べた. すでに開院以来, 患者数16,000名以上のデータベースをもつているが, 新しいシステムではこのデータの移行をはかるとともに, 病院中央コンピユータ室とのオンライン化, 照射の確認, 事務作業の簡素化を目標とした. データの取扱いはキーボードによる入力, 標示画面との対話方式で行い, その結果をプリントアウトすることができる. 照射開始毎に入力された患者データベースから, 当日予定されている装置毎のリスト作成を行い, 照射の確認がなされる. 照射終了入力は集積されて個人別治療計算データ, 放射線治療月報の作成が容易となつた. 過去のデータも含めて, 従来より精度の高い患者検索と放射線治療分析が可能である.
  • 立野 育郎, 多田 明, 長束 秀一, 高仲 強
    1987 年 41 巻 2 号 p. 141-146
    発行日: 1987/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    局所進展, 再発, 遠隔転移を示す未分化癌を除く進行甲状腺分化癌82例に対して, 131I大量投与治療, 外照射などの放射線療法を含む集学的治療を行つた. その10年生存率は, 初発例で85.1%, 再発例で60.0%であり, 長期生存がみとめられた. 進行甲状腺癌でも, 可能なものは局所の手術が第1手段であるが, 131I大量投与治療は副作用もなく, 病巣に1311摂取がある限り, 反復して行える効果的な制癌療法であり, 投与された131Iの総量は300mCi以内であつた. 外照射は, 残存腫瘍の縮小や神経圧迫症状の改善に有効な症例を経験した. 甲状腺ホルモンの投与によるTSHの抑制も, 残存癌, 転移症例に対する支持療法として, またreplacement therapyとしても有用であつた. 分化癌の未分化癌転移についても, 症例を呈示して留意すべきことを述べた.
  • 1. X線CTによる病期診断と病巣診断
    山下 晶次, 土器屋 卓志
    1987 年 41 巻 2 号 p. 147-151
    発行日: 1987/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    35名の上咽頭扁平上皮癌患者に対し, 放射線治療前にX線CT検査を施行した. CTは, 原発巣を非常に良く描出する. CTは, しばしば, 単純X線検査や断層撮影で診断できない, 副鼻腔や翼状突起などの軽微な骨破壊を診断することができる. 病期診断は, 1978年UICCによるTNM分類にしたがつて行い, 臨床症状と断層を含む単純X線検査により, 決定した(non-CT・T病期). 一方, CTのみによるT病期診断(CT・T病期)をそれぞれの患者に対し行い, non-CT・T病期と比較した. CT・T病期では, 35名中14名もnon CT・T病期より進んだT病期に診断された. 35名のうちでnon-CT・T病期よりCT・T病期がさがつたものは1名だけで, この患者は脳神経麻痺によりT4と診断されたが, CTでさえも骨破壊が認められなかつたためである. CTは, 骨と同時に軟部組織の異常を良く描出するので, 病期診断に役立つとともに, 放射線治療計画の参考にも有用である. 放射線治療を開始する前に, CTを施行し, 照射野の中に腫瘍が確実には入つているかどうか確かめるべきである. CTは, 放射線治療後の経過を観察するうえでも, 有意義である. CTは, 上咽頭扁平上皮癌患者の原発診断として, 単独で最も信頼のおける画像診断である.
  • 立野 育郎, 多田 明, 高仲 強, 長束 秀一, 渡辺 騏七郎
    1987 年 41 巻 2 号 p. 152-157
    発行日: 1987/02/20
    公開日: 2011/12/02
    ジャーナル フリー
    肺癌の脳転移に対する放射線治療の評価を, CTが導入され30Gy以上照射された10症例について行つた. 放射線治療は, 全脳ないし全脳+局所照射である. 治療効果は, CT上は, 著効6例, 有効2例, 無効2例であるが, 脳症状は著効3例, 有効7例と全例に脳症状の改善をみとめた. このように客観的効果判定にはCTがすぐれているが, 限界があつた. 組織像とCT効果の比較では, 30Gy台と40Gy台の著効各1例は小細胞癌で, 50Gy以上で著効4例, 有効2例と効果例が増えてくる. 最近,剖 検できた小細胞癌症例は肝多発転移による死亡であるが, 小脳の転移病巣は30Gyの照射で治癒していた. 緩解持続期間は2ヵ月~1年7ヵ月(Median 9ヵ月), 脳転移発現後の生存期間は3ヵ月~1年8ヵ月(MST 11ヵ月), Kaplan-Meier法による1年生存率は50%であつた. performance statusと治療前の神経機能の程度, 脳転移以外に他臓器への転移の有無などと生存期間は関連した.
  • 第2報 子宮頸癌治療法と生存率の検討
    藤村 憲治, 坂本 祐二, 松山 茂麿, 徳永 達也, 三森 寛幸
    1987 年 41 巻 2 号 p. 158-161
    発行日: 1987/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    1967年から1985年までの婦人科系癌の放射線治療総数は1078例で, 子宮頸癌922例, 子宮体癌40例, 卵巣癌56例であつた. 子宮頸癌は放射線単独治療683例, 術後照射239例であり, これらを照射方法別に集計し, 5年粗生存率を比較検討した.
    放射線単独治療では, 深部X線治療による生存率23%に対し, 60Co遠隔治療による生存率44%と約2倍の成績向上がみられた. また, リンパ節のみに対する外照射時期と原発巣にも外照射が行われた時期の生存率は, それぞれ37%, 54%と後者の治療成績が優れていた. 術後照射でも前期と後期はそれぞれ68%と87%で, 後期の治療成績向上がみられた.
    当院の子宮頸癌放射線治療成績は, 治療機器および治療方法の改善により確実に向上してきた.
  • ―治療機器と対象疾患の調査分析―
    藤村 憲治
    1987 年 41 巻 2 号 p. 162-165
    発行日: 1987/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    1985年12月現在で熊本県の放射線治療機器と対象疾患についてアンケート調査を行つた. 県内の放射線治療施設は14ヵ所で, 8施設が腔内照射可能であつた. しかし, 治療用コンピユータ設置率はわずか14%, シユミレータ設置率も36%と少なく, 放射線科医による治療率は64%であつた.
    県内では, 年間1120例の外照射と83例の腔内照射が行われた. 対象疾患として多いものは, 肺癌21%(231例), 子宮頸癌13%(142例), 食道癌8%(92例), 乳癌7%(79例)などであつた.
    悪性新生物の県内罹患数の推計をもとに放射線治療実施率を求め, 全部位では23%と少なく, 喉頭77%, 食道65%, 子宮61%, 肺42%などの結果を得た.
    地域医療における放射線治療施設のあり方について, 問題点を検討した.
  • 清水 治芳, 背戸田 正利, 阿部 勝彦, 川幡 博志, 茶木 俊彦, 田村 廣行, 田生 輝雄, 桜井 智康, 西尾 正道, 曽根 隆
    1987 年 41 巻 2 号 p. 166-169
    発行日: 1987/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    昭和41年7月に北海道内第1号機である, 日本電気製医療用直線加速器(NELAC-1006)が当病院に設置されて以来, 昭和59年3月で使用を終えた.
    この19年間の照射件数及び保守管理についてまとめたので報告する.
    昭和41年7月から昭和59年3月までの, フィラメント・タイムは37,205時間で, ビーム・タイムは4,647時間であつた.
    照射日数は3,755日で故障日数(オーバーホールを含む)は126日となり, 平均稼動率96.6%になつた.
    また昭和42年4月より59年3月までの故障件数は240件を数えた.
    照射人数は135,743人で照射門数309,869門に達した.
    昭和42年から59年までの18年間における, 当院放射線科登録患者数9,601例を原発巣別に分類すると, 女性骨盤内腫瘍が最も多く19%を占め, 頭頸部15.4%, 肺・縦隔12.8%, 胸・腹部消化器11.8%, 乳房11.1%の順となつた.
  • 薬物の体液中濃度からみた品質格差の検討に関する共同
    1987 年 41 巻 2 号 p. 171-176
    発行日: 1987/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    スピロノラクトン製剤の市販5銘柄について, バイオアベイラビリテイ試験と溶出試験により品質を検討した. 5銘柄の製品のバイオアベイラビリテイは40名の健康人を用いて, 血漿中カンレノン濃度より求めた. また, 5銘柄の製品の溶出試験はパドル法を用い, 「日局10」崩壊試験法第一液(pH 1.2)を溶出液として37±0.5℃, 100回転にて実施した. その結果, 溶出試験及びバイオアベイラビリテイ試験, いずれも製品間の差を認めた. さらに, in vitroの溶出試験の結果とin vivoのバイオアベイラビリテイの結果に相関が認められた.それは, 血漿中カンレノン濃度での血中濃度曲線下面積(AUC)と60分溶出時間での溶出率との間に高い椙関(r=+0.961)が認められた. さらに, 最高血中濃度(Cmax)と10分溶出時間での溶出率との間にも同様に高い相関(r=+0.915)が得られた.
  • 血液製剤による効率的な治療方針に関する研究班
    1987 年 41 巻 2 号 p. 177-181
    発行日: 1987/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    我が国では血液製剤, 特に血漿製剤の使用量が欧米諸国に比し極めて大量で, 国内供給可能量をはるかに超過しているためその大部分を輸入に依存している. そのため国の内外からきびしい批判が加えられ, 血液製剤, 特に血漿製剤の効率的使用法確立の必要性がさけばれている.
    当班では検討を要する血液製剤の種類を知る目的で, 全国国立病院における最近5年間の各製剤別, 年度別使用実態を調査集計した. その結果, 1) 赤血球輸血は全血製剤から赤血球製剤へと急速に代りつつある. 2) 血漿製剤の使用量が極めて大量で, しかも多くの製剤の使用量がさらに増加しつつある, ということが明らかになつた. 血漿製剤の使用量が大量で, さらに増加している原因は不明であり, 今後これらの製剤を中心に検討することが必要と考えられる.
  • St. Jude Medical Valve 付きPolytetrafluoroethylene tubeを用いたRastelli手術
    松村 長生, 大塩 猛人, 桐野 有成, 藤田 博茂, 太田 明
    1987 年 41 巻 2 号 p. 182-185
    発行日: 1987/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    5ヵ月乳児の総動脈幹症I型にSJM弁付きPTFE管を用いて根治手術に成功した. グラフトは開胸手術前に作成した. 直径10mmのPTFE管に縦切開を加え19mmのSJM弁が挿入できるようにし, 弁の上をPTFEシートで覆い6-0プロリーンで縫合し適当な角度にした. この導管を大動脈より分離した肺動脈と右心室の間に挿入した.
    術後44日間の呼吸管理を必要としたが, 術後の経過は良好であつた.
    現在, 発育も良好で, 3才になるが正常に運動している. 本例は日本で12例目の総動脈幹症の乳児期根治成功例の報告である.
  • 富沢 修一, 竹内 衛, 柳本 利夫, 小沢 寛二
    1987 年 41 巻 2 号 p. 186-189
    発行日: 1987/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    6年前に発症した多関節型・若年性関節リウマチ(juvenile rheumatoid arthritis: JRA)の17才女児例に計4回の血漿交換療法を実施した.
    主症状は手関節の疼痛・腫脹・拘縮であり, 同療法施行後に劇的な疼痛の消失と腫脹・拘縮の軽減を認めた. 検査成績はCRP4+が陰性化し, 血沈値も改善された. さらにprednisoloneの漸減が可能になり, 患児の精神面での好転もみられた.
    血漿交換の副作用は, 穿刺部の皮下血腫のみで重篤なものはなかつた.
  • ―皮膚科領域における特定疾患SLEの薬歴管理―
    岡田 稔, 水谷 伸一, 八野 芳己, 赤野 威彦, 野口 利明, 片山 一郎, 橋本 武則
    1987 年 41 巻 2 号 p. 190-194
    発行日: 1987/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    薬歴管理については, その必要性が医療関係者などから指摘されてきた. つまり長期投薬を必要とする膠原病・糖尿病・循環器疾患などで副作用発現, 投薬量の増減時期の決定, 相互作用の把握, 検査値上に及ぼす薬物の影響などの判断になる. また, 我々薬剤師が医師の協力を得, 臨床の側面から参加するのにも充分役立つものである.
    我々は, 皮膚科Dr協力のもと全身性エリテマトーデス(SLE)患者の薬歴フオーマツト作成を試みた. フオーマツトは薬物治療を中心に検査データ(WBC, GOT, ESR, LDH, γ-GTP, ANF, ENA, α-DNA, etc.), 臨床所見などを図表化することにした. つまり投薬の月日と検査データなどの変化の比較を容易にするのである.
    今後, もつと改良を加え各科において薬歴フオーマツトを作成し, 医師の治療指針の側面から参画できるようにしたい.
  • 吉田 途男, 石田 成伸, 中田 良和, 泉 寛治
    1987 年 41 巻 2 号 p. 195-196
    発行日: 1987/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    簡易言語, dBase IIを用いて, 当院の甲状腺外来のデータ・ベースの試作を行い, 3カ月間に60例の登録を行い得た. 登録する過程で, 患者のcareのもれが少なくなり. 医療の質の向上に役立つた. またsummaryの作成も可能で, 診察上の事務作業を改善した.
  • 山田 清美
    1987 年 41 巻 2 号 p. 197-202
    発行日: 1987/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 2. HLA抗原とは
    堤 紀夫, 伊藤 治英, 田中 忠夫, 柏木 登
    1987 年 41 巻 2 号 p. 203-206
    発行日: 1987/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 1987 年 41 巻 2 号 p. 207-208
    発行日: 1987/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
  • 1987 年 41 巻 2 号 p. 208-209
    発行日: 1987/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
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