医療
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高リン血症を伴い異所性石灰沈着をきたした本態性高免疫グロブリン血症の1例
紫藤 忠博前田 和弘木村 圭志
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1987 年 41 巻 6 号 p. 534-538

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抄録
本態性高免疫グロブリン血症の1例を経験した. 骨X線像で項中隔及び肘関節周囲軟部組織への石灰沈着がみられた. 本症では, 著増した免疫グロブリンとCaが結合した結果, Caイオン濃度は低下し, 高リン血症を惹起し, また病的免疫グロブリンに過剰に結合したCaは全身を循環し, 種々の組織に石灰化症を起こすものと考えられる.
リンパ球によるIgG抗体産生能の測定では, 本症helper T細胞は健康者に比して活性の増大を, suppressor T細胞は機能低下を示していた.
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© 一般社団法人国立医療学会
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