医療
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重症心身障害児(者)における血清25-hydroxyvitamin Dについて
三好 和雄
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1988 年 42 巻 1 号 p. 45-47

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抄録
重症心身障害児(者)に, くる病・骨軟化症の発生が多いことはよく知られている.今回私は, 生体内のビタミンDの保有状態をよく反映すると考えられている血清25-hydroxy-vitamin D (25-OH-D)の値を, 当院に入院中の重症心身障害児(者)において検討した. 血清25-OH-Dの値は, 対照群に比べ, 重症心身障害児(者)群は有意に低かつた. 重症心身障害児(者)のうち, 抗痙攣剤の服用者群は非服用者群に比べ25-OH-Dの値が低い傾向にあつたが, 有意差はなかつた. また, 重症心身障害児(者)34例のうち, 1例にくる病所見を認めた. 重症心身障害児(者)の25-OH-Dの値が低い原因としては, 日照不足が考えられ, 屋外での生活を積極的にとりいれる必要性を痛感した.
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