医療
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意識障害患者のリハビリテーシヨン
島倉 忠行水上 信明矢島 幸昌細川 昌俊
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1988 年 42 巻 1 号 p. 39-44

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抄録
脳血管性障害, 脳手術後などの中枢性疾患に起因する運動知覚機能障害に意識障害を随伴している患者に遭遇することがしばしばみられる.
意識障害を伴う患者は通常回復意欲, 自発性, 疎通性が極めて乏しく, 特に2桁以上の重度の障害例では随意運動も消失し, 予後のよくない場合が多い.
私たちは本研究において, このような意識障害を随伴する患者に対するリハビリの方法として従来からの維持的療法以外に, 介助による早期起坐, 坐位バランス, 移乗起立と種々の反射運動や視, 聴, 触, 味覚などの多重刺激の積極的応用法を, 過去4年間に男14名, 女7名の計21名に試み, よい結果を得たことを報告した.
なかでも(1)リハビリ開始時意識レベルが2桁以上の重症例12名, 57%あつたが, 終了時には全例0まで回復し, (2)離床率では100%その目的を果し, (3)11名52%が歩行可能まで回復したことなどは特筆すべき高成績であった.
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© 一般社団法人国立医療学会
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