医療
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小脳梗塞の外科的治療
宮田 伊知郎石光 宏原田 泰弘西浦 司津野 和幸
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1988 年 42 巻 1 号 p. 72-74

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抄録
症例は33才の女性. 頭痛, 脱力感で発症したが, 翌日より急速に意識状態が悪化し半昏睡となつた. 頭部CT scanで左小脳に広範なlow density areaと, それによる第4脳室の圧排消失, 閉塞性水頭症をきたしていたため緊急に後頭下減圧開頭術を施行した. 術直前は昏睡, 両側瞳孔散大の状態であつたが, 翌日には簡単な命令に応じるようになり, 術後約4ヵ月目に軽快, 独歩退院した.
小脳梗塞の中には, 自験例のごとく広範な脳浮腫を伴い脳幹圧迫および閉塞性水頭症をきたす例がまれながらあり, このような症例に対して後頭下減圧開頭術が極めて有効であつたので報告した.
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© 一般社団法人国立医療学会
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