医療
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術中超音波検査による胆道癌進展度判定
草野 敏臣古川 正人中田 俊則瀬戸口 正幸林 〓欽田代 和則立花 一幸菅 和男宮崎 国久
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1988 年 42 巻 12 号 p. 1142-1145

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抄録
胆道癌の進展度判定は, 従来, 主として術前は血管造影を中心とした総合画像診断, 術中は胆道X線造影において行われてきた. しかしながら, 胆管癌の胆管壁水平浸潤に対しては確実性がなく, その根治切除において問題の多いところであつた. そこで我々は術中超音波検査(以下「IOUS」)を用い胆道癌進展度, 特に胆管癌における胆管壁水平浸潤部のIOUS像を検討した. 対象は, 昭和59年6月より, 当院外科において開腹術を施行した胆道癌23症例に, 浸潤部位の検索, 切除範囲の決定, などの目的でIOUSを施行した. 疾患内容は, 胆嚢癌6例, 胆管癌17例(結節型3例, 結節浸潤型9例, 浸潤型5例)である. その結果, 胆管壁水平浸潤については, 浸潤部に随伴して生ずる線維化肥厚層が主腫瘍から連続した高エコー像としてとらえられ, このことはBorrmann 4型胃癌の粘膜下浸潤部にみられるUS像と一致し, 本所見は胆管癌切除範囲決定に有用と思われた.
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© 一般社団法人国立医療学会
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