医療
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慢性関節リウマチに対する持続冷却濾過法の基礎的検討
黒田 重臣前島 潔篠崎 有三小森 正樹大谷 良樹
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1988 年 42 巻 2 号 p. 122-130

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抄録
慢性関節リウマチ(RA)において病因関連物質が血漿を低温にした際にゲル状の沈殿物, いわゆるcryogelを形成することを応用したcryofiltration (CF)療法を24例のRA患者に試み, その除去物質であるcryogelを高速液体クロマトグラフイー法(HPLC), 免疫沈降法および動的光散乱法(DLS)で分析し, その性状を検討した.
HPLCではcryogelはAからFまでの6個の物質に分離でき, A物質が著明であつた. A物質はさらに3個の分子量物質, A1;130万, A2;100万, A3;64万に分離された. 免疫沈降法の結果では, cryogelの主成分であるA物質は免疫グロブリンと異なる物質であつた. さらにA物質の分子レベルの性状をDLSで検討した結果, A物質は分子レベルにおいてもcryogelと同様な性状を示した.
以上の結果はcryogelの主成分はA物質で, 免疫グロブリンとは異なる物質であることを示唆した.
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© 一般社団法人国立医療学会
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