医療
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不妊症患者における核医学的子宮卵管スキヤンの試み
多田 明立野 育郎高仲 強松山 毅川原 領一柏木 秀一西 克機
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1988 年 42 巻 9 号 p. 822-825

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抄録
Tc-99mm acro-aggragated-albumin(MAA)粒子による核医学的子宮卵管造影(RNHSG)を16例の不妊症患者で行い, 合計32本の卵管の通過性を造影剤による子宮卵管造影の所見と比較検討した. 16例中, 3例はアイソトープを膣円蓋部に置くにとどめ, 13例では内子宮口に置いて検査したが, 膣円蓋部に置いただけの症例ではすべて子宮内へのアイソトープの移行を認めなかつた. 内子宮口に置いた13例では10例20本の卵管の通過性が証明された. 造影剤による子宮卵管造影の所見と比較してRNHSGのsensitivityは91%, specificityは100%, accuracyは92%であつた. RNHSGは解像力には劣るが, 解剖学的には通過性を認めるのに, 機能的には通過性がないような卵管の評価に優れており, 不妊症における機能検査としては非常に有用な検査法であると考えた.
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