1989 年 43 巻 1 号 p. 47-51
Chinese Hamster Ovary細胞を宿主とする遣伝子組換えHBワクチンを, HBVに未感染の52名(男性10名, 女性42名, 平均年令35.2±9.4才)に投与し, その効果と安全性について検討した. 本ワクチン10μgを1回量とし, 初回, 1ヵ月後, 6カ月後の計3回, 皮下注群と筋注群の2群に分けて接種した. 初回接種から28週目のHBs抗体陽転率は92%(幾何平均値202mIU/ml)であつた. 皮下注群と筋注群の2群間には有意差はみられなかつた. 副反応は全接種回数159回中30件(15.4%)にみられたが, すべて軽度であつた.
以上より, 本ワクチンは従来の血漿由来のワクチンと比べて効果・安全性とも遜色がないものと考えられた.