医療
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Swan-Ganzカテーテル留置による血小板数の変化
吉村 力也師富 邦夫赤星 隆一郎西浦 明彦
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1989 年 43 巻 4 号 p. 411-415

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抄録
血行動態モニターのためにSwan-Ganzカテーテルを血管内に留置した17例について, カテーテル留置中と抜去後の血小板数と凝固線溶系の変化について検討した. その結果, 1)カテーテルの留置により, 血小板数は挿入直前あるいは直後に比して, 1, 2日目には68%, 3日目には56%と有意に減少した. その後はカテーテル留置中にもかかわらず徐々に増加し, 11~14日目には86%まで回復した. カテーテル抜去後は挿入直前あるいは直後の値を越えて血小板数が増加し, 7~10日には145%に達した. 2)FDPは血小板数と逆の関係で変化し, フイブリノーゲンとATIIIは血小板数と類似の変動を示した. 3)カテーテルを大腿静脈より挿入した方が, 鎖骨下静脈より挿入した場合に比して, 血小板数の減少が強い傾向にあつた.
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© 一般社団法人国立医療学会
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