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発症早期に外傷創の壊疽化をみとめた糖尿病の1例
小川 克仁山岡 透田本 慎一伊藤 雅史吉田 康洋池尻 公二
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キーワード: 糖尿病, 壊疽, 合併症
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1990 年 44 巻 8 号 p. 818-821

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抄録

症例は25才, 男性. 糖尿病の既往はない. 家族・縁者に5名の糖尿病家族歴をもつ. 左足第一趾に外傷を負い, そののち糖尿病発症, 創部の壊疽化をみとめたため入院となつた. 入院時顕在性の糖尿病合併症はみとめず. 食事療法下, インスリン治療により血糖コントロールを行うとともに, 局所への消毒, 抗生剤, インスリン処置および抗生剤, PG製剤の全身投与による壊疽創の治療を行つた. 血糖コントロールは良好で約1カ月で耐糖能の改善とともにインスリン治療を中止とし, 壊疽創も約1.5カ月で治癒に至り, 以後両疾患とも再発はみとめられていない.
以上本例は, 糖尿病既往がなく, 外傷をきつかけとして糖尿病が発症し, 合併症をみとめない状態で創の壊疽化へと進展し, 治療により両疾患とも良好にコントロールされ再発をみとめていないという点で報告に価する症例と思われる.

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