医療
Online ISSN : 1884-8729
Print ISSN : 0021-1699
ISSN-L : 0021-1699
糖尿病患者の心血管反射機能に関する検討
八木 伸治尾山 光一青木 浩一郎四位例 靖能登 裕木田 寛杉岡 五郎
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 44 巻 8 号 p. 814-817

詳細
抄録

糖尿病患者の心血管反射機能障害における迷走神経と交感神経の障害様式を検討した. 迷走神経の指標として圧反射, 深呼吸による心拍数の変動を, 交感神経の指標としてtiltによる血圧と心拍数の変化を用いた. 糖尿病17例中, 7例は正常, 5例は迷走神経のみ異常, 5例は迷走神経と交感神経が異常で, 交感神経のみの異常はみられなかつた. 交感神経異常例では, 血圧低下・心拍数過剰反応型2例, 血圧中等度低下・心拍数低反応型2例, 血圧高度低下・心拍数正常型1例がみられた. 以上より, 糖尿病性自律神経障害では, 迷走神経が交感神経に比し早期に障害され, 交感神経の異常は, 障害の程度により種種の病態を示すと考えられた.

著者関連情報
© 一般社団法人国立医療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top